公務員の不倫リスクや慰謝料について

文責:弁護士 森田清則

最終更新日:2024年12月27日

1 公務員特有の不倫リスクについて

 公務員に限らず、不倫をしてしまえば配偶者とトラブルになったり、慰謝料を請求されるというリスクは発生します。

 公務員の方が不倫をした場合、基本的には不倫という行為そのものが欠格事由に該当したり、免職・減給等の処分の対象になるということはありません。

 ただし、不倫に伴う行為の内容によっては、国家公務員法などの法律に抵触し、処分される可能性もないとはいえません。

 また、所属している組織によっては、不倫が処分の対象になり得ます。

 以下、不倫という行為と公務員の処分の関係、勤務時間中の不倫に伴う行為、教員が不倫をした場合について説明します。

2 不倫という行為と公務員の処分の関係

 公務員の方の欠格事由や免職・減給等の処分については、国家公務員法や地方公務員法に定められています。

 具体的には、欠格事由については国家公務員法第38条または地方公務員法第16条に、免職・減給等の処分については国家公務員法第82条または地方公務員法29条に定められています。

 そして、これらの条文の中においては、不倫行為そのものが欠格事由や滅職・減給等の処分の対象になるとはされていません。

3 勤務時間中の不倫に伴う行為

 一般論として、同じ職場に務めている人同士が不倫関係になりやすいという傾向があります。

 そして、不倫関係になっている人は、精神的な高揚もあり、勤務時間内にも業務と関係がない連絡を取り合ってしまったり、性的な行為に及んでしまうこともあります。

 これらのことをしてしまうと、国家公務員法第82条または地方公務員法29条に抵触し、処分の対象になる可能性があります。

4 教員が不倫をした場合

 教員の方は、日常的に多数の生徒や保護者と接する機会があり、不倫関係に陥りやすい環境にあることと、国家公務員法または地方公務員法とは別の法律や教育委員会による処分が定められていることに注意が必要です。

 まず、生徒と性的関係に及んでしまった場合には、処分の対象になります。

 また、保護者と不倫関係になった場合も、教育委員会から処分される可能性があります。

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